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コラム

「靴下について考える」

靴下というのは実際は靴の中に存在するにもかかわらずナゼ「靴下」なのか?
 靴底の立場から言わせてもらうと明らかに「靴上」であるし、靴の甲の部分から見たら「靴下」と言えなくもないが靴下はそこからさらに足首の部分まで被っているので正確には「靴の底から見たら靴上であり一部は靴下と言えなくもないがやはりその大部分は靴中なのではないか?」と言う事になる。
 その名前について考えるだけで、これだけの議論を呼ぶ靴下はなにかと厄介な存在である。一番厄介なのは新品をおろす時。手間が掛かってしょうがない。まず、上と下に付いている銀色のクチバシみたいのを外し、続いて「ポリウレタン80%」などと印刷してあるシールを2〜3枚はがし、時にはハンガーの出来損ないみたいなヤツを外し、最後の難関はあの2つの靴下を止めてあるプラスティックのアルファベットのHを横に伸ばした様な白い止めるヤツである。こいつがことごとく我々にストレスを与えやがる。

 歯で噛んでも切れないし、無理矢理引っ張ると靴下に穴が空くし、ライターで焼き切ろうとしたら靴下まで燃えちゃうし、ハサミやカッターをようやくさがしてプチン!と切ったら切れ端はどっか遠くへ飛んでっちゃうし、ようやく2つに分離させる事に成功した靴下を履いて家を出る時にはクタクタなのである。
 洗濯時もひと悶着。取り込んだ洗濯物をリビングなんぞにドカッと置いて、Tシャツ、トランクス、と順番にたたんで行き、最後に靴下をたたむ段になる。微妙な色の落ち具合などから判断しつつ「君と君はペアね」「あんたの相方はあんたね」などと順番にカップル作りに励むのだが、最後にどうしても配偶者の見つからない靴下が片っぽ、寂しく取り残される事がよくある。

家中に捜索願いを出し一斉捜査をしてみると、洗濯機の脱水槽の内側にベターッと張り付いてたりする。「ここにおったんかキミは!」涙の御対面という事になる。難儀なヤツだ。



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